ゼミナール

私たちのゼミは、①論理的に考え、表現する力を身につけることと、②マーケティングの基礎的な知識を習得することを目的としています。そしてこの目的を達成するために、①基礎的な知識の習得、②マーケティング活動の体験、③学術研究という3つの活動に取り組んでいます。

目的

  • 論理的に考え、表現する力を身につけること
  • マーケティングの基礎的な知識を習得すること

活動

  • 基礎的な知識の習得
    • 方法論の基礎知識
    • 統計分析の基礎知識
    • マーケティングの基礎的知識
  • マーケティング活動の体験
    • 企業とのジョイント・プログラム:ソニー、ソニー・ミュージックエンタテインメント、日本放送協会(NHK)、NHK放送文化研究所、明治、アサヒビール、サッポロビール、日清製粉ウェルナ、ワコール、POLA など
  • 学術研究
    • 早稲田大学および上智大学との合同研究会
    • 研究論文の執筆と学会への投稿

マーケターは3%

これまで私が行った調査によると、企業におけるマーケターの割合は2〜3%程度です。たとえば従業員1000人の企業であれば、マーケティング担当者は20〜30人程度になります。これは納得できる数字ではないでしょうか。

「マーケターは3%」という数字から見えてくるのは、「大学でマーケティングを学んだからといって、マーケティング部門で働くとは限らない」という現実です。ほとんどの学生は、卒業後にマーケティング以外の業務を担当します。

それでは大学でマーケティングを学ぶことは無駄なのでしょうか。私はそうは思いません。

専門的な知識と戦略的な思考

マーケティングを通して、2つのことを身につけることができます。1つは「専門的な知識」(technical knowledge)であり、もう1つは「戦略的な思考」(strategic thinking)です。

専門的な知識というのは、たとえば新製品開発をどのように進めるか、どのような価格展開をするか、どのような売り場づくりをするか、SNSやデジタル・メディアをどう活用するか、などです。いわゆる4P(製品・価格・流通チャネル・広告コミュニケーション)についての具体的な知識などが相当します。“technical knowledge”という英語が示すように、技術的な知識といっても良いでしょう。

戦略的な思考というのは、より大きな観点から「問題を発見し、目的を設定し、どのようにすればそれを達成できるか」を考えたり、実践したりすることです。そこでは、短期的な結果だけにとらわれず、ある程度長期的かつ幅広い視点から、経営環境や経営資源を理解したうえで、最適な行動を選択することになります。

著名なマーケターである音部大輔氏の言葉を借りれば、専門的な知識を身につけるのは「特定の道具に精通する」ことであり、戦略的な思考を身につけるのは「道具を超えた本質を習得する」ことと言えるでしょう(音部, 2014, p.254)。戦略的な思考は、時代や環境が変わっても活かし続けることができます。

私たちのゼミでは専門的な知識を学ぶだけでなく、学生自身が自主的かつ積極的に活動することで、戦略的な思考を身につけることを目指しています。そうすることで、卒業後も役に立つ「いつまでも色あせない力」を得ることができるからです。

受賞と実績

私たちのゼミの活動は学外・学内の双方において高く評価され、いくつもの受賞をしてきました。

2024年度

<論文>

  • 「安全志向製品における⾮対称な広告デザインがもたらす影響」 宇藤夢華・内藤夏那・⻑⾕川美怜・横井葵, 第12回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・銀賞(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「インターネットミームを⽤いた広告が顧客エンゲージメントに影響を及ぼす要因の検討」 ⼤内彩楓・牧野希純・松村さくら・松⼭和佳奈, 第12回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・佳作(主催:日本広告学会関東部会)

2023年度

<論文>

  • 「イニシャルと広告表現が一致するとき広告態度に与える影響」 宮川万里・吉田彩乃・清水優衣・宇藤夢華, 第11回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・佳作(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「異性の魅力を含んだ広告のマーケティング効果」 腰越遥・大内彩楓・前原彩那・向川香波, 第11回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・奨励賞(主催:日本広告学会関東部会)

<プレゼンテーション>

  • 「エモいってアルファミュージック展:本物のエモいを探しに行く」腰越遥・宮川万里,+ALFA CAMP」グランプリ(最優秀賞)(主催:アルファミュージック株式会社)

2022年度

<論文>

  • 「広告コピーの具体性が広告評価・製品評価に及ぼす影響:解釈レベル理論を用いた検討」横山未来, 2022年度 青山学院大学経営学部学生懸賞論文・入賞(主催:青山学院大学経営学部経営学会)
  • 「企業へ返報行動を取る人々とその返報内容の検討:被援助者の心理的負債感に着目して」澤田創・岡根凜太郎, 2022年度 青山学院大学経営学部学生懸賞論文・佳作(主催:青山学院大学経営学部経営学会)
  • 「ブランド『メジャー感』の測定尺度の開発」柳川真凜・川島菜々美・吉田彩乃, 第10回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・佳作(主催:日本広告学会関東部会)

2021年度

<論文>

  • 「失敗型広告の検討:特性自尊心・状態自尊心に着目して」菅原颯・川上怜大・宮川悠斗, 2021年度 青山学院大学経営学部学生懸賞論文・入賞(主催:青山学院大学経営学部経営学会)
  • 「なぜ『大人の習い事』は続くのか:顧客維持を目的とした対話型コミュニケーションのための探索的研究」澤田創・山澤紀香・浦郷愛・西嘉山未来・東内佑樹・會澤夏葵, 第9回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・奨励賞(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「飲食店における広告コミュニケーション:ロボットシェフから知覚される『善意』・『手間』・『愛情』が料理の期待度とレストランへの選好に及ぼす影響」横山未来・森下愛里・牛久保太一・岡根凜太郎・迫秋穂・権田麗, 第9回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・奨励賞(主催:日本広告学会関東部会)

2020年度

<論文>

  • 「なぜ女子大学生はデパコスを持ちたがるのか?:定性調査による消費行動のモデル化と4つのコアカテゴリーの検討」輿石萌花・横田紗瑛・中野成美・倉持瑞穂,2020年度 青山学院大学経営学部学生懸賞論文・入賞(主催:青山学院大学経営学部経営学会)
  • 「なぜ人はプレロール広告を見ないのか?:気分状態と個人特性がプレロール広告の視聴時間に及ぼす影響について」岡田美香・田中胡桃・丹羽衿華・深野唯子・宮崎伶, 2020年度 青山学院大学経営学部学生懸賞論文・佳作(主催:青山学院大学経営学部経営学会)
  • 「擬人化と敬語が購買意思決定に与える影響:社会的距離の遠近に着目して」菅原颯・川上怜大・宮川悠斗・牛久保太一・澤田創,第8回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・佳作(主催:日本広告学会関東部会)

2019年度

<論文>

  • 「他者の声かけが選択の一貫性に及ぼす影響:進捗状況の満足度と目標コミットメントに着目して」若松香那・守屋悠衣・冨永一真・金子りか,2019年度 青山学院大学経営学部学生懸賞論文・入賞(主催:青山学院大学経営学部経営学会)
  • 「メンタルシミュレーションにおける他者の存在が環境配慮行動に与える影響:計画的行動理論に基づく検討」北川実茶・釜井里夏・渕上綺花・長島啓介,2019年度 青山学院大学経営学部学生懸賞論文・佳作(主催:青山学院大学経営学部経営学会)
  • 「音楽は広告の閲覧量を変えられるのか?:制御焦点理論を用いたムードの非対称的効果の検討」輿石萌花・深野唯子・宮崎伶・横田紗瑛,第7回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・銅賞(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「オンラインクチコミにおける最適な情報量:制御焦点理論を援用して」五十嵐陸・倉持瑞穂・鈴木彩純・丹羽衿華,第7回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・奨励賞(主催:日本広告学会関東部会)

2018年度

<論文>

  • 「広告の一部としてのBGMが消費者に与える影響:言語の違いに着目した解釈レベル理論に基づく検討」北川実茶・釡井里夏・冨永一真・渕上綺花・守屋悠衣,第6回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・銀賞(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「消費者とブランドの関係にブランド・ニックネームがもたらす効果」長島啓介・内田里菜子・紺野百花・塩田宵子,第6回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・佳作(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「ナラティブ構造モデルの再考と消費者心理に及ぼす影響」若松香那・浅川怜子・金子りか・塚越柚衣・吉田真希,第6回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・佳作(主催:日本広告学会関東部会)

2017年度

  • 2017年度は指導教員が特別研究期間のため、卒業論文指導以外のゼミナール活動はお休みでした。

2016年度

<論文>

  • 「コラボレーションにおけるキャラクターとブランドの一致度がブランドの本物感に及ぼす影響」横山未来・大槻聖良・片山詩織・久野夏季・鯉渕正行・高木翔子,2016年度 青山学院大学経営学部学生懸賞論文・入賞(主催:青山学院大学経営学部経営学会)
  • 「広告コミュニケーションにおける集団効果モデルの再検討」児玉光・岡本りさ子・齊藤有李,第4回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・銀賞(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「私たちの広告、彼らの広告:集団所属意識が広告コミュニケーションに及ぼす影響」岩渕衣里・小糸麻衣香・齋藤宏貴・髙橋麻里奈,第4回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・銅賞(主催:日本広告学会関東部会)

2015年度

<論文>

  • 「ふるさと納税における予期的後悔の影響:もし、この特産品を選んだら」佐久間梓・磯村亮太朗・佐藤真紀・館由依子・塚本由香,2015年度 青山学院大学経営学部学生懸賞論文・入賞(主催:青山学院大学経営学部経営学会)
  • 「外国語表記の広告に対する日本人消費者の態度」大槻聖良・高木翔子・横山未来,第3回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・銀賞(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「罪悪感と恥に焦点を当てたマナー改善を促す広告コミュニケーションへの示唆:デジタルサイネージの可能性を見据えて」松下愛佳・入矢夏実・岡絵理奈・久野夏季,第3回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・佳作(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「電車内のデジタルサイネージに関する研究:個人の特性と広告を見る状況に着目して」坂元恵理・張美善・鶴田桜子,第3回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・奨励賞(主催:日本広告学会関東部会)

2014年度

<論文>

  • 「PBのパッケージングが消費者の知覚リスクに与える影響」小出紗栄・青山佳世・小柳修平,2014年度 青山学院大学経営学部学生懸賞論文・特賞(主催:青山学院大学経営学部経営学会)
  • 「擬人化の程度と主体に着目した擬人化広告の研究:人のようで人じゃない少し人っぽい広告の効果」前田里菜・鈴木真生・寄主奈美,2014年度 青山学院大学経営学部学生懸賞論文・入賞(主催:青山学院大学経営学部経営学会)
  • 「経験の有無によるノスタルジア広告の効果:ほろ苦いあの思い出を越えて」若松彩美・袁陸杰・柴田理那・朴ソヨン,2014年度 青山学院大学経営学部学生懸賞論文・入賞(主催:青山学院大学経営学部経営学会)
  • 「CSR広告に対する原因帰属が大学生に及ぼす影響」佐久間梓・小林紗也加・宮田潤・山田偉久,第2回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・金賞(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「『限定』広告キャンペーンが引き起こす大学生の敵意:オウンドメディアと心理的リアクタンスに着目して」亀山大樹・五十嵐怜・佐藤真紀,第2回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・銀賞(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「ファッション製品における普及情報の提示効果:バンドワゴン志向・スノッブ志向の観点から」岡田朋・磯村亮太朗・鯉渕正行,第2回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・佳作(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「声なくして、人が人を呼ぶ:視覚的なクチコミの可能性」塚本由香・片山詩織・館由依子,第2回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・奨励賞(主催:日本広告学会関東部会)

<プレゼンテーション>

  • 「擬人化による天然ガストラック普及プロモーション案」前田里菜・鈴木真生・寄主奈美,全国大学生天然ガストラックマーケティングコンテスト・第3位(主催:公益社団法人 日本マーケティング協会)
  • 「号外が生み出す新聞活性化:『伝統型』『現代型』若者像からの提案」大槻聖良・久野夏季・鶴田桜子・松下愛佳・横山未来,イマドキの大学生 × 新聞 ~ 大学生が新聞・新聞広告を考える(主催:一般社団法人 日本新聞協会)

2013年度

<論文>

  • 「POP広告による恥の低減と入店促進」前田里菜・青山佳世・柴田理那・朴ソヨン,第1回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・銅賞(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「事前のクチコミ閲覧が及ぼす広告態度への影響:クチコミに対する評価に着目して」小出紗栄・袁陸杰・鈴木真生,第1回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・佳作(主催:日本広告学会関東部会)
  • 「CMから知覚されたユーモアによるクチコミ目的の違い」若松彩美・小栁修平・寄主奈美,第1回 日本広告学会関東部会学生広告論文賞・奨励賞(主催:日本広告学会関東部会)

参考文献

  • 音部大輔(2014)『君は戦略を立てることができるか』宣伝会議.